- ① 振出人
- 基本は、振出人の企業の信用で手形割引の可否を検討します。 上場企業であれば、その企業のホームページには、IR情報として決算情報やその他会計上の重要な情報が掲載されています。 その他企業は、帝国データバンクや商工リサーチなどの企業情報を参考にします。 また、親会社の信用状況や手形割引業者専用の信用情報機関に手形の振出・決済状況を確認し年商規模に合った手形振出残高や同業他社の手形割引お断り情報などを参考にします。
手形割引業者によっては、手形の振出銘柄別に割引限度枠を設けているところもあります。
- ② 裏書人
- 第一裏書人(受取人)の裏書や第二裏書人の裏書がある手形を受け取る場合があります。
手形割引業者が「手形の表と裏をファックスして下さい。」と言うのは、裏書人の連続性を見るだけでなく、裏書人の信用度も見る場合があるからです。
時には、振出人の信用より裏書人の信用で手形割引の可否を審査することもあるそうです。
- ③ 持込人(申込人)
- みなさんが手形割引業者に手形割引を申し込んだ時、みなさんの会社の内容を尋ねられます。 地元の割引業者であれば、みなさんの会社に訪問し、受注状況や会社の状況を見てもし、万一手形が不渡りになった場合の買戻し能力などを判断し、振出人の信用度が多少低くても金額によっては割引が出来る場合があります。
また、倒産防止共済への加入されていれば、掛金の10倍まで不渡りの時に共済から融資が受けられますので手形割引の審査には有利になります。
- ④ 手形用紙の記載内容
- いくら振出人の信用があっても、偽造手形や融通手形の可能性もあります。
それを見分けるために手形の記載内容に不審な点が無いかを確認します。
過去に割引実績がある手形は、コピーを保存していますのでそれと比較照合します。
- 1)手形番号
- 通常手形用紙は25枚から50枚綴りの手形帳を金融機関からもらい使用します。 その手形帳には連番で手形番号が付けてあります。 企業によっては特定の記号を使ったり、前月の割引から番号が何番変わったかなどを参考にします。
- 2)支払場所
- 手形を振出す場所は、資金繰りの都合からある程度決まった金融機関の店舗を継続的に使います。 今までに無い金融機関からの振出は要注意です。
- 3)振出日、支払日
- 企業は、手形を振出すとき、振出日・支払日はある程度一定しています。支払日やサイトの変更は無いか、日付の数字は手書き又はスタンプが今までと同じかどうかなどをチェックします。
- 4)社判・振出印
- 業歴が長い会社は、社判や振出印も相応に経年の摩耗が見られます。 急に新しい社判に変わったりしたときなどは要注意です。 また、経理担当者の印鑑が金額の横に押してある手形など企業によって特長があります。
- 5)注文書などの商取引書類
- 手形の金額の裏付けとなる商取引に関する書類をチェックします。 基本的には手形振出元企業からの注文書、代金支払い時の明細書(手形金額、現金額、相殺金額など)を確認し、支払条件の変更が無いかなど調べます。 手形金額が大きいときは、手形持込人の年商なども調べ、会社の事業規模と手形金額が釣り合っているかなど確認します。